領域概要

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領域代表

Professor
Particle Physics Theory Group
Department of physics, Kyoto University

Koji Hashimoto橋本 幸士

新法則の発見、新物質の
開拓を目指した「学習物理学領域」が始まります

こんにちは。京都大学大学院理学研究科教授の橋本幸士です。
我々が今まさに作り出そうとしている「学習物理学領域」について、ご説明します。この新変革領域は、機械学習と物理学を融合することで、基礎物理学の変革を目指すものです。

物理学は、その長い歴史の中で、自然科学で最も精密な実験場を提供し、さまざまな自然の階層における課題を、数理科学との連携により解決してきました。

一方で、機械学習分野は、人工知能の基盤をなす数理体系であり、近年の計算科学の進展により爆発的な進化を見せている、大きな研究分野です。我々は、これら大きな二つの分野を融合する、「学習物理学領域」を提案します。

この領域では、新法則の発見、新物質の開拓、といった基礎物理学の最も重要な課題に、機械学習の手法を物理学と融合することで、挑みます。

機械学習が使われる物理学の分野は多様ですが、我々は、理論的な融合が可能であるような分野に絞って、領域を構成します。
融合のための物理学分野A01からA04、そして機械学習手法B01からB03、を準備し、それぞれの交点から融合研究を促進して、学習物理学領域を創成します。
加えて、この構成が選ばれたもう一つの理由は、領域構成メンバーとして、分野を勃興させた日本人草分け研究者が集結し、日本の強みを生かすためです。

領域の研究概要
research summary

物理学:自然科学で最も精密な実験場,多階層の諸問題+数理の連携・機械学習:計算科学の爆発的進展分野,社会・技術のイノベーション 物理学・機械学習

学習物理学

新法則の発見、新物質の開拓

機械学習と物理学の理論的手法群の統合により基礎物理学の根本課題を解決

融合目的に特化した本領域の構成

選定された物理学分野と機械学習手法において、交点を作り
交点融合研究を促進、共通の新基盤領域を創成する。

学習物理学 新法則の発見、新物質の開拓 総括班:橋本幸士(領域代表),A01:計算物理学:富谷昭夫(大阪国際工科専大),A02:素粒子物理学:野尻美保子(KEK),A03:物性物理学:大槻東巳(上智大),A04:量子・重力物理学:橋本幸士(京大理),B01:深層学習の数理と応用:田中章詞(理研iTHEMS),B02:高次元統計的機械学習:樺島祥介(東大理),B03:機械学習と位相幾何学:福嶋健二(東大理) 学習物理学 新法則の発見、新物質の開拓 総括班:橋本幸士(領域代表),A01:計算物理学:富谷昭夫(大阪国際工科専大),A02:素粒子物理学:野尻美保子(KEK),A03:物性物理学:大槻東巳(上智大),A04:量子・重力物理学:橋本幸士(京大理),B01:深層学習の数理と応用:田中章詞(理研iTHEMS),B02:高次元統計的機械学習:樺島祥介(東大理),B03:機械学習と位相幾何学:福嶋健二(東大理)

領域目標

領域目標A
物理学と機械学習を融合することで、
基礎物理学における
根本課題を解決する
A01計算物理学における量子配位生成の革新的な加速。
A02素粒子物理学における大型加速器実験の
発見感度向上と対応する理論の精密化。
A03物性物理学における量子複雑領域までの
拡張/量子ゆらぎ量子縺れの解明。
A04量子・重力物理学における時空概念の創発の仕組みの解明。
領域目標B
機械学習と物理学の
親和性を活かす新領域により
物理学の課題解決手法を開発する
B01物理学のドメイン知識を用いた
深層学習の機構の数理解明と課題対処法の分類。
B02統計力学による学習計算困難の
問題の克服/理論と実践を通貫する枠組みの整備。
B03位相幾何学による物理学親和的な
ニューラルネットワーク学習手法の開発。
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